『銀河の歴史に、また1ページ』
銀河英雄伝説アニメ版の次回予告で使われる有名な台詞です。
ちなみに、アニメ版は全4期に分けて製作されており、各期の最終話と最終話前は台詞が少し変えられています。
ご興味がある方は、ぜひご自身で銀河の歴史を紐解いてみて下さい。
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それでは今回は、原作小説のあらすじをご紹介いたします。
Ⅰ 黎明篇
原作において、英雄二人の最初の邂逅ともいえる『アスターテ会戦』から物語が始まります。
永遠の夜の中で アスターテ会戦
倍の兵力に三方向から包囲されるという、圧倒的不利な状況下から緻密な作戦指揮を持って勝機を掴み取り、同盟軍に壊滅的打撃を与えるラインハルト。
優勢から一転し壊滅的打撃を受けた味方を率いて、全軍崩壊の危機から脱出を図るヤン。
のちに常勝将軍と呼ばれるラインハルトの華麗なる戦術と、不敗の魔術師として後世に名を残す知将ヤンの戦術が、広大な宇宙を舞台に激突します。
第十三艦隊誕生 イゼルローン攻略戦
アスターテ会戦終結後、ヤンを待っていたのは驚愕の知らせでした。
アスターテの功績を認められたヤンは、新造の半個艦隊を率いて『難攻不落の宇宙要塞』と言われたイゼルローン要塞攻略を命じられたのです。
同盟軍が大軍を持ってしても陥とす事が出来なかった難攻不落の要塞を相手に、ヤンの知略が冴え渡ります。
死線 アムリッツァ 帝国領侵攻作成
最後は同盟軍の一大侵攻作戦と迎え撃つ帝国軍の闘いを描く『アムリッツア会戦』です。
一部の軍首脳部と政府の暴走によって、同盟軍は戦略的意義が見出せないまま、帝国軍領内へと全軍を持って大侵攻を図りました。
アスターテ会戦の戦功を持って元帥に昇格したラインハルトは、侵攻作戦に対応するべく、揮下の兵力を持って同盟軍を迎え撃ちます。
建国当初の理想を忘れ、民主主義国家としての矛盾を露呈しつつある同盟。
ラインハルトの出現によって変革の時を迎えようとする帝国。
宇宙を挟んで相対する二つの勢力の激突は、永続と思われた二つの国家に変化をもたらします。
二人の英雄は、この戦争の果てに何を手に入れるのでしょうか?
銀河英雄伝説Ⅱ 野望篇
嵐の前 敗戦と皇帝崩御
前篇の最後で、帝国への侵攻作戦の失敗により参加将兵の3分の2を失うという大きな損害を受け、同盟軍は得る事無く本国へ帰還を余儀なくされました。
一方、侵攻作戦の撃退により大きな戦果をあげたラインハルトでしたが、そこに舞い込んできたのは、彼の復讐の対象でもある銀河帝国皇帝、フリードリッヒ4世の突然の崩御の知らせでした。
『あと5年・・・、いやあと2年長く生きていれば、犯した罪に相応しい死に様を与えてやったものを』
流血の宇宙(そら) 同時に起きた二つの内乱
皇帝の後継者争いは熾烈を極め、ついには武力闘争に発展します。
ラインハルトは、国事を司る国務尚書リヒテンラーデ公と手を組み、ブラウンシュヴァイク公を盟主と仰ぐ旧来の門閥貴族と対峙しました。
後に『リプシッタト戦役』と呼ばれる、ラインハルト陣営対貴族連合の戦いが始まったのです。
時同じくして、疲弊した同盟内部にも激震が走ります。
首都である惑星ハイネセンが、武装蜂起したクーデター一派、『救国軍事同盟』によって占拠されるのです。
帝国、同盟で同時発生した内乱によって、ラインハルトとヤンは再び軍を動かします。
ラインハルトは大いなる野望を、ヤンは深い憂慮を、それぞれの思いを胸に秘めて。
二つの動乱を繋ぐ一本の糸と、その糸から紡ぎ出された動乱のタペストリーが全容を現した時、読者に深い衝撃を与えます。
誰がための勝利 手に入れた物と失われた者
この内乱は多くの敗者とともに一握りの勝者を生み出しますが、それと共に多くのかけがえのない者の命が失われます。
本来は味方であったもの同士が相争い、多大な犠牲を払った両国の内乱は、後の物語に暗い影を落とすのです。
『嘘をつくな、ミッターマイヤー・・・。卿は嘘をついている!』
銀河英雄伝説Ⅲ 雌伏篇
イゼルローンの主砲してイゼルローンの防壁を打たしむればどちらが勝つか
オリビエ・ポプラン
前巻のリプシッタット戦役により、ラインハルトは帝国内での実権を手に入れますが、代わりに自らの半身とも言うべき存在、キルヒアイスを失います。
かけがえのない友を自らの不明によって失い、姉アンネローゼからも距離を置かれたラインハルトは、失なったものの代償を求めるかのように、宇宙を手に入れるべく躍動を始めます。
はばたく禿鷹 要塞対要塞
彼のアイスブルーの瞳に映ったのは、虚空に浮かぶ難攻不落の宇宙要塞、イゼルローン要塞でした。
魔術師ヤンの知略の前に失陥したイゼルローン要塞の眼前に、同規模のガイエスブルグ要塞を長距離ワープによって送り込む事を企図します。
人類史上初とも言うべき『要塞対要塞』の戦いの幕が上がろうとしていたのです。
査問会 武器なき戦い
しかしイゼルローン存亡の危機を前にして、要塞司令官たるヤン・ウェンリーの姿は要塞内にありませんでした。
帝国とそれに組するフェザーンの策謀によって、ヤンは首都ハイネセンで『査問会』に掛けられるために、イゼルローンを出立したのです。
腐敗した同盟の印象を決定付ける、銀英伝屈指の迷場面ともいうべき
査問会
の幕があがります。
この戦局の悪化した状況の中で、最前線の指揮官をわざわざ召還し、査問に掛けるなど意味が無いことです。
ただ、無能な政治家達が暗躍する謀略家たちの策謀に踊り、自身の権力を誇示したに過ぎません。
眼前に恐るべき雄敵と背後に無能で猜疑心が強い味方。
この二つに挟まれながら、ヤンは『査問会』という孤独で滑稽な戦いに身を投じねばならなくなったのです。
果たしてヤンは、この愚かしい状況を切り抜ける事が出来るのか?
そして、ヤンの帰還までイゼルローンは持つのか?
艦隊決戦と政争が中心であった前巻に比べ、一方では巨大な要塞同士の主砲が相打ち、もう一方では陰鬱な査問会の光景が繰り返されます。
イゼルローンで巻き起こるの巨大なスケールの戦いの行方と、ヤンがいつ切れるのか気になって、思わずページをめくってしまう、疾風怒濤の第三巻です。
最後に
『銀河英雄伝説』原作小説の前半部分をご紹介させて頂きましたが、如何だったでしょうか?
初刊行は1980年代と時を経過しているのですが、作品そのものの魅力は失われる事がありません。
なにより現在でもマックガーデンノベル版が販売されており、お近くの書店やアマゾンなどで手に入れる事が可能になっています。
ご興味のある方は、是非てにとって頂ければうれしいです。
それでは、次回以降に4巻以降をご紹介していきます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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